乳癌しこりの特徴!場所や痛みは?乳がん検診の費用と年齢。セルフチェックでの見つけ方
2017/08/20
今回は、乳癌のしこりを早期発見するための特徴や、セルフチェック方法(見つけ方)乳がん検診について詳しくご紹介します。
日本では12人に1人が「乳がん」になるといわれています。がんで死亡する女性の約9%を占め、乳がんは現代の女性にとって驚異となる病気です。
ただし、乳がんは早期に発見・治療すれば治癒率がとても高い癌です。
そこで当記事では
*乳がん早期発見の重要性
*乳癌のしこりの特徴(場所・痛み・大きさ・硬さ・感触など)
*乳癌のしこりを見つける正しいセルフチェックの方法
*乳がん検診方法と年齢や費用
といった内容で、セルフチェック(自己検診)による乳癌しこりの見つけ方のポイント、早期発見するために受けるべき乳がん検診の検査方法、年齢や費用についてもご紹介します。参考にしてください。
スポンサーリンク
乳癌しこりの特徴!場所や痛みは?乳がん検診の費用と年齢。セルフチェックでの見つけ方
乳がんは早期発見が重要
乳がんは乳腺に発生する悪性腫瘍です。放置してしまった場合、乳腺以外の組織や臓器へと転移し、取り返しのつかないことになってしまう可能性があります。
しかし一方で、乳がんは早期に発見し治療が出来れば、およそ95%が治る可能性があるとも言われています。
乳がんは少しでも早く発見して治療を行うことがとても大事です。
そのために医療機関での定期検診は、もちろん必要です。
と同時に、自身での検診はとても重要になります。
現に乳がん患者のうち、医療機関での検診でがんが見つかったのは2割に過ぎず、4人に3人はセルフチェックで自身のしこりの異常に気づき、医療機関を受診したことが日本乳がん学会の調査で明らかになっています。
では次に、乳がんを早期発見するためにも、乳がんのしこりのできやすい場所など、乳癌しこりの特徴を知りましょう。
乳癌しこりの特徴
乳癌と「しこり」の関係
しこりは乳がんの代表的な症状です
- 胸のしこりに気づき乳がん検診を受ける方が多い
- 胸にしこりがある場合は乳がんである可能性が高い
- 胸のしこりで早期発見につながるケースが多い
一方で、しこりで乳がんが分からないこともあります
- しこりができないタイプの乳がんもある
- しこりができた時には病気が進行している場合もある
乳癌であれば「しこり」ができるというのが定説になっていますが、中には初期の段階では「しこり」などの症状のないケースも多くあります。
そのため必ずしも、乳房の「しこり」=乳がんではありません。
乳癌(しこり)ができやすい場所
乳房は主に脂肪と乳腺という2つの組織からできています。このうち乳癌(しこり)ができやすいのは主に乳腺からです。
乳首を中心に乳房を4つに分けた場所の乳癌(しこり)発生率
●乳房の外側の上部:全体の53%
●乳房の内側の上部:全体の19%
●乳房の外側の下部:全体の14%
●乳房の内側の下部:全体の6%
●乳首付近:全体の4%
乳がんのしこりは乳房にだけできるものではありません。脇の下に乳がんのしこりが見つかる方もたくさんいらっしゃいます。
上記を目安とし見落すことのないよう、脇の下も含めた幅広い範囲で、しこりがあるかセルフチェックすることが大切です。
乳癌しこりの痛み
乳癌のしこりは、一般的に痛みがないのが定説になっています。しかし稀に痛みがあるという方もいらっしゃいます。
また、人によっては痛みを感じ始めた後に、しこりが見つかるというケースもあります。
乳房の痛みは、乳腺炎などの良性疾患によるものや、帯状疱疹の可能性もあります。
ただし、中には乳がんのサインである場合もありますので、普段と違う気になる痛みを感じた場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
乳癌しこりの大きさ
しこりの大きさが5ミリ~1センチほど、1円玉程度の大きさになると、自分で触って分かるようになります。
乳房を温存できるしこりの大きさの上限は3センチといわれます。
※しこりの大きさだけで悪性度をはかることはできません。5センチくらいのしこりでも、転移していなければ、乳がんとしてのステージは低めになる場合もあります。
乳癌しこりの硬さ・感触
良性のしこりの場合
- 消しゴム程度の硬さで弾力がある
- コリコリとした感触
- しこりと周囲との境界はっきりしている
悪性のしこりの場合
- 小石のように硬い
- 表面がでこぼこしている
- 形があいまい
- 周囲との境界はっきりしない
乳癌しこりは動く(流動性)?
良性のしこりの場合
良性のしこりは指で上から押すと逃げるように動くことが多い
悪性のしこりの場合
悪性のしこりは動かないのも大きな特徴の一つ
乳癌しこりが大きくなるスピード
乳癌しこりの成長スピードは、がん細胞の種類によって異なります。
硬癌
浸潤乳がんのうち全体の約4割を占める悪性度の高い硬癌は進行速度が速い
充実腺管がん
転移が疑われる浸潤乳がんの中で約2割を占める充実腺管がんは進行は遅い
乳頭腺管がん
浸潤乳がん全体の約2割を占める乳頭腺管がんはゆっくり進行する
乳癌の「しこり」として確認できるまでには数年かかる場合もあり、しこりを確認できる頃には、病気がかなり進行している場合も少なくありません。
しこりの大きさが2cm以内の1期(ステージ1)の乳がんであれば、早期治療により生存率は99%とされています。
乳癌が早期発見、早期治療と言われるゆえんです。
スポンサーリンク
乳がんの見つけ方!正しいセルフチェック方法
乳がんは自分で見て触って発見することができるがんです。正しいセルフチェックの方法で早期発見できるといわれています。
いくつかセルフチェックの手順や方法をお伝えしますので、前向きに積極的に取り組んでください。
乳がんセルフチェックのポイント
セルフチェック(自己検診)する時は、以下の方法とポイントをおさえてチェックしてください。
触診のチェック方法
平手触診
手の平と5本の指で撫でるように触診します
指腹触診
親指以外の4指を揃えて触診します
指先交互触診
指先を2本揃えて軽く指踏みしながら触診します
えくぼ兆候の出し方
しこりを指でつまんで押し上げるようにします
視診でのチェックポイント
乳房の形や大きさ
乳房の変形や大きさに左右で差がないか?
乳房の皮膚の状態
表面にくぼみや盛り上がりがないか?発赤や浮腫がないか?
えくぼ兆候
えくぼのようなへこみがないか?
乳頭の状態
湿疹・ただれ・かゆみがないか?
乳頭分泌物
乳頭から出血や異常な分泌物がないか?
乳首の状態
乳首が陥没してきてないか?
お風呂で体を洗う時に乳がんセルフチェック
皮膚の凹凸が分かりやすいように泡立てた石鹸を使い、手の平で撫で洗いをします。
目を閉じて行うと、手や指の感覚がより鋭くなります。
●手順1
調べる乳房側の腕を少し上げます。反対側の手の平と5本の指で撫でるように、表面に渦をまくように乳房から脇の下にかけてくまなく触ります。しこりや異常がないかしっかりチェックしてください。
●手順2
親指以外の4本の指を軽くそろえ、指先に近い腹の部分で乳房を軽い押します。場所を少しずつ移動しながら、しこりや異常がないかしっかりチェックしてください。
●手順3
人差し指と中指でキーボードをたたくように乳房に触れながら、しこりや異常がないかしっかりチェックしてください。
お風呂でバスタブに入っている時に乳がんセルフチェック
バスタブに入ると浮力がかかります。さらに体が温まると乳房が柔らかくなりますので自己検診がしやすくなります。
●手順1
調べる側の乳房を反対の手で包み込むようにします。この時、上下に軽く振動させると、より乳房の状態を手の平で感じられます。
●手順2
少しずつ場所を移動させながら、乳房から脇の下にかけてきまなく触ります。しこりや異常がないか、しっかりチェックしてください。
鏡の前で裸になった時に乳がんセルフチェック
お風呂に入る時や出た後など、裸になった時に鏡の前に立ちます。
●手順1
両腕を下げた姿勢で、乳房や乳頭を観察します。乳房の変形や大きさの左右差がないかチェックします。
●手順2
両腕を高く上げた姿勢で、正面・側面・斜めから乳房を観察します。乳房にえくぼやへこみ、ひきつれ、左右差がないかチェックします。
●手順3
乳頭や乳首を軽くつまっみ、血液や分泌物が無いかをチェックします。
寝る時に乳がんセルフチェック
仰向けに横たわります。
●手順1
腕を上げて、乳房の内側半分を指の腹で軽く圧迫しながらチェックします。
●手順2
同じように腕を上げて、乳房の外側半分を指の腹で軽く圧迫しながらチェックします。
●手順3
わきの下に手を入れ、しこりがないか指の腹でくまなくチェックします。
乳がんのセルフチェックは毎日行う
乳がんは、がんの中で唯一「自分で発見できるがん」です。
乳房の異常に気づくためには、まず自身の日頃の乳房の状態を把握しておくことが、とても重要です。
普段から自分の乳房の状態が分かっていれば、異常が生じたときなど「いつもと何かが違う」と感じられ、そのことが乳がんの早期発見の第一歩になります。
体の微妙な変化やSOSに気づくためにも、セルフチェックは毎日行うことが必要です。
そのためにも、お風呂に入る時や就寝前など、日常的な行動を行う際に少しだけ時間を作って、自己検診を習慣づける事が早期発見に繋がります。
ただし、どうしても毎日は難しいという方は、以下の時期に月1度はセルフチェックを行うようにしてください。
●閉経前の人
乳房の張りが少ない、月経終了後4~5日くらいの間に行う
●閉経後の人
毎月、日にちを決めて行う
乳がん検診の方法と年齢や費用
乳がんはセルフチェック(自己検診)だけでは見逃してしまう場合もありますので、定期的に医療機関での乳がん検診を受けることをおすすめします。
乳がん検診内容
乳がん検診で主に行われるのは、問診や視触診、マンモグラフィ、超音波(エコー)を用いた検診があります。
それぞれの乳がん検診の簡単な特徴をご紹介しますので、それぞれのメリット・デメリットを理解し、あなたに適した乳がん検診を選択する際の参考にしてください。
問診・視触診
主な問診項目
- 生理周期などの月経の状況
- 妊娠や出産経験の有無
- 家族に乳がんになった人がいるかどうか
- これまで乳がん検診を受けたことがあるかどうか
主な視診項目
- 乳房の変形や大きさの左右差
- 乳房表面のぼみや盛り上がり、ひきつれや発疹
- 乳頭の湿疹やただれ
- 乳首の陥没
主な触診項目
- しこりがないか
- リンパは腫れていないか
- 乳頭からの出血や異常な分泌物がないか
問診や視触診は時間や費用もそれほどかからず心身への負担が少ないです。
ただし、しこりが乳がんであった場合、ある程度の大きさにならないと発見できない可能性があります。
マンモグラフィ
マンモグラフィとは、乳がんの早期発見のための乳房専用X線撮影のことをいいます。
マンモグラフィーでは、触診では診断できない小さなしこりや微細な乳がんの発見に役立ちます。
ただし、マンモグラフィは乳腺の密度の高い若い人や妊娠している方には適しません。
超音波検査(エコー)
超音波検査(エコー)とは、超音波を乳房に当てて、その時の反響を映像化し、病巣を診断する画像検査をいいます。
超音波検査(エコー)は、しこりの内部構造の識別がしやすく、乳腺密度の高い若い人にも適しています。
ただし、マンモグラフィに比べて小さいしこりの診断が困難です。
CT・MRI検査
CTとはX線をMRIは磁場を使用して画像上で人体を輪切りにして検査をする装置です。
CTやMRI検査は乳がんを発見する検査としては、ほとんど用いられません。多くは乳がんがあると判明した時に用いられる検査です。
CTはリンパ節転移や肺転移などを広く検出することで腫瘍の正確な位置をが把握するために行われ、MRIは乳房内での癌の広がりをより詳しく見るために行われます。
年代で違う受けるべき乳がん検査方法
女性が1年に1回受けるべき乳癌検査は、年代により適する方法が異なります。
以下に医師が推奨する乳がん検査方法を、年代別にまとめましたので参考にしてください。(※乳がん既往が無い場合になります)
●20~30代
基本はマンモグラフィですが、乳腺が高濃度の場合は超音波検査(エコー)
●40~50代
マンモグラフィと超音波検査(エコー)の両方
●60代以上
マンモグラフィだけで特に問題ない
乳がん検査にかかる費用
乳がんの検診費用は実施内容や個人検診か自治体検診かによって金額が異なります。以下を大まかな目安として参考にしてください。
●保険不適用(全額自己負担)
マンモグラフィ:5,000円前後
超音波検査(エコー):3,500円前後
CT検査:20,000円前後
●保険適用(3割負担)
マンモグラフィ:1,500円前後
超音波検査(エコー):1,000円前後
CT検査:6,000円前後
●保険適用(1割負担)
マンモグラフィ:500円前後
超音波検査(エコー):350円前後
CT検査:2,000円前後
医療機関によって費用に幅がありますが、乳がん専門のクリニックで全額自己負担の場合、マンモグラフィ+超音波検査(エコー)両方を受診した場合は10,000円前後になります。さらに診察代等もかかりますので、全体で15,000~20,000円が相場になります。
次に自治体による乳がん検診のサポート状況をみていきます。
自治体による乳がん検診制度や費用の補助
●40歳未満の専業主婦
自治体による市区町村の検診での費用負担がないため、全額自己負担での受診か夫の勤務先の健保組合の制度での受診になります。
●40歳未満の会社員
自治体による市区町村の検診での費用負担がないため、全額自己負担での受診か自身の勤務先の健保組合の制度での受診になります。
●40歳以上の専業主婦
自治体による市区町村の検診を2年に1度受診できます。その場合、市区町村によって金額が異なりますが、0~3,000円ほどの負担になります。
●40歳以上の会社員
自治体による市区町村の検診か勤務先による職域検診のどちらかを選択できます。
40歳、45歳、50歳、55歳、60歳の女性に対し、厚生労働省が乳がん検診の無料クーポン券を配布していますので、5年ごとに無料で乳がん検診が受けられるようになりました。
まとめ:「乳癌しこりを見つける早期発見6つのポイント」
いかがでしたか?「乳がんのしこりの見つけ方」「乳がん早期発見のためのセルフチェックや検診」をテーマにご紹介させていただきました。
最後にもう一度7つのポイントについて確認してみましょう。
その1:乳がんは早期発見が大事
その2:乳がんのしこりができやすい場所を知る
その3:乳がんのしこりの特徴
その4:セルフチェック時のポイント
その5:正しいセルフチェック方法
その6:セルフチェックは毎日行う
その7:乳がん検診の方法と年齢や費用
乳がんは、がんの中で唯一「自分で発見できるがん」です。是非、今回ご紹介したセルフチェックを実践してみませんか?体のサインを見逃さないように、普段から心がけてみませんか?当記事がお役に立てれば幸いです。
【乳がんが急増している背景とリスク】
乳がんの原因はストレスやホルモン!乳癌10の原因と5つの初期症状
【エクオールの乳がん抑制作用効果について】
スポンサーリンク