今回は、原因不明の腹部の痛みで考えられる「腹痛の原因と種類」、「お腹が痛くなる場所から分かる病気」についてご紹介します。
原因不明の腹痛にお悩みではないですか?
急なお腹の痛みだけでも辛いのに、原因が分からず長引いてしまうのはとても辛いことです。
しかしなぜお腹は痛くなるのでしょうか?
そこで当記事では、
- お腹の痛み方はいろいろ
- 腹痛の原因と種類
- お腹が痛い場所ごとに考えられる病気
- 腹痛で病院に行くなら何科を受診する?
といった内容で、急にお腹が痛くなる原因、そして腹痛の原因や場所から考えられる病気についてお伝えしていきます。
原因不明の腹痛で辛い思いをされている方は参考にしてください。
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原因不明の腹痛!お腹が痛い3つの原因と痛い場所から分かる8つの病気
① お腹の痛み方
一言で「お腹の痛み」と言っても痛み方の種類は様々です。
イタタタと言いたくなるような「キリキリ」とした痛みや、「ドーン」と重たい痛み、そして「ウッ」と挿し込むような鋭い痛みなどがあります。
痛み方が様々あるように、その原因もそれぞれ違います。
それではどんな痛みの時は何が原因なのか、腹痛のおこり方とその種類について詳しくお話をしていきます。
② 腹痛の原因と種類
内臓性腹痛
胃や腸管などの管腔臓器の収縮、伸展、拡張、痙攣などによる刺激が原因となり発生する痛み。内臓神経(自律神経)を介して感じる腹痛です。
特徴として
- 差し込むような痛み
- 周期的
- 吐気や嘔吐を伴うことが多い
体性腹痛
腹腔内臓器の炎症によって壁側腹壁や腸間膜が刺激されて発生する痛み。知覚神経が刺激されて起こる腹痛です。
特徴として
- 刺すような痛み
- 持続的
- 悪心や嘔吐を伴わない
- 内臓腹痛より重症であることが多い
関連痛と放散痛
関連痛とは内臓からの痛みの刺激が皮膚に伝わり、皮膚の痛みや知覚過敏を起こす痛みです。
また、放散痛は痛みが離れたところに伝搬することをいいます。
心因性の腹痛
神経性によるものやストレスを中心とした心の病が原因で発症する腹痛です。
次に、腹痛から考えられる病気について腹痛の部位ごとにご説明します。
その1 みぞおちに腹痛がおこる病気
●急性胃炎・逆流性食道炎
みぞおちに痛みを感じたり吐き気や嘔吐を伴う。
●胃潰瘍
みぞおちがキリキリ、シクシク痛む。特に食後の痛みが強い。
●十二指腸潰瘍
空腹時にみぞおちがキリキリ、シクシク痛む。
●急性虫垂炎
病気の初期の段階で、みぞおちに痛みを感じる。
●急性膵炎
みぞおちの中央から左側にかけて激しい痛みがあらわれる。さらに、その痛みが背中や肩にまで及ぶこともある。
その2 みぞおちの右手側に腹痛がおこる病気
●胆嚢円、胆石症、胆管炎
とくに胆石症では発作性の激しい腹痛が起こり、さらには右の背中や胸、肩が同時に痛むことがある。
●腎盂腎炎
みぞおちや腰背部に鈍痛を感じる。
その3 みぞおちの左手側に腹痛がおこる病気
●急性膵炎
みぞおちの左側から中央にかけて痛み、さらには左胸や左背部、左肩の方にまで痛みが広がることが大きな特徴。
●胃上部の胃潰瘍、急性胃炎
みぞおちの左側に痛みを感じる。
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その4 おへそ周辺に腹痛がおこる病気
●急性象徴園、急性大腸炎、潰瘍性大腸炎
おへそ周辺の腹痛の大部分をしめる病気。
●腎結石
痛みは鈍痛で、おへその周辺と背中に痛みがあらわれる。
●尿管結石
尿管結石では、冷や汗をかくような激しい痛みが主に明け方に起こる。
その5 下腹部に腹痛がおこる病気
●過敏性腸症候群
下腹部の痛みとともに、下痢が何週間も続いたり、下痢と便秘を繰り返す。
●前立腺炎や膀胱炎
下腹部の痛みと排尿時の痛みがあらわれる。さらに頻尿や残尿感をともなう。
その6 右手側の下腹部に腹痛がおこる病気
●虫垂炎(盲腸)
腹部右下周辺に激しい痛みを感じる疾患。
発症数時間はみぞおちに痛みがあらわれ、痛みが増しながら段々と右下に移動する。
その間痛みは持続し、右下腹部に行きつくころには幹部が化膿して腹膜も刺激するようになるので、体を動かすのも大変なほど激しく痛む。
その7 左手側の下腹部に腹痛がおこる病気
●急性大腸炎、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群
左手側の下腹部の腹痛は大腸の疾患が主である。
●子宮内膜症、卵管炎、子宮がん
子宮や卵巣が位置するので、疾患時に下腹部の違和感や痛みを伴う。
●生理痛
下腹部に子宮があるため、生理時に左下腹部に痛みを感じる。
その8 腹部全体に腹痛がおこる病気
●過敏性腸症候群
比較的軽い痛みがお腹全体におこる。
●腸閉塞(イレウス)、急性腹膜炎、腸間膜動脈血栓症
腹部膨満感と共に激しい腹痛をひきおこす。
●胃潰瘍、十二指腸潰瘍
進行により胃に穴があき、腹痛をひきおこす。
●子宮外妊娠
破裂により腹部全体に激痛があらわれる。
腹部全体に痛みがおこる多くの疾患では、ショック症状をともなうような激しい痛みが起こるため、早期に医療機関を受診することが必要です。
さらに、次の症状を伴う腹痛の場合も早めに医療機関を受診してください。
- 高熱を伴う
- 出血や下血を伴う
- 転げまわるほどの激痛がある
- 激しい吐き気や嘔吐がある
- 顔面が蒼白である
- 頻脈(ひんみゃく)である
- 意識が低下している
病院では何科を受診する?
腹痛の原因として、内科的要因、外科的処置が必要な場合、婦人科の疾患の場合など、さまざまな臓器の病気が原因となっている可能性があります。
そのため、病院ではどの科を受診すればいいのか分からない事もあります。
そこで、総合病院を受診し、受付で症状を伝えて、適切な科目にまわしてもらうのがよいでしょう。
ただし、総合病院では特別料金が発生したり(平成28年4月からは、緊急やむを得ない場合を除き、紹介状なし大病院で初診を受ける場合、診察料とは別に特別の料金を支払う必要があります)とても混んでいたりします。
そこでまずは、行きつけの病院やクリニックなど受診しやすい医療機関を受診し、そこで可能な診察や処置を受けて、さらに治療が必要な場合や原因が分からない場合は、どこを受診すればいいのか聞いたり、紹介状を出してもらう方がよい場合もあります。
なお、以下の症状がある場合は我慢しすぎず、救急車を呼んでください。
- 高熱
- 吐き気や嘔吐
- 出血や下血
- 顔面蒼白
- 頻脈(ひんみゃく)
- 意識低下
まとめ:「腹痛3つの原因と痛む場所から考えられる8つの部位の病気」
いかがでしたか?
原因不明の腹部の痛みで考えられる「腹痛の原因と種類」と「お腹が痛くなる場所から分かる病気」をテーマにご紹介させていただきました。
最後にもう一度、お腹が痛む8つの部位ついて確認してみましょう。
その1:みぞおちに腹痛がおこる病気
その2:みぞおちの右手側に腹痛がおこる病気
その3:みぞおちの左手側に腹痛がおこる病気
その4:おへその周辺に腹痛がおこる病気
その5:下腹部に腹痛がおこる病気
その6:右手側の下腹部に腹痛がおこる病気
その7:左手側の下腹部に腹痛がおこる病気
その8:腹部全体に腹痛がおこる病気
応急処置としまして、急な激しい腹痛に襲われたときの対処法は、下記の記事に詳しく書いてありますので参考にしてください。
腹痛は身近な症状だけに自己判断したり放置しがちですが、原因が分からずきちんとした対処が出来ない場合は、生死にかかわることもあります。
普段と違う異変を感じましたら病院へ行くことをおすすめします。当記事がお役に立てれば幸いです。
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